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借地借家法|61条のどこに何が書いてあるか。契約で変えられない条はどれか

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最終更新 2026-09-17

この記事でわかること

  • まず、読む場所は3つに分かれている
  • 「借地権」の意味は2条で決まっている
  • ★契約で変えられない条は、法律が自分で指している
  • ★定期借地権が「できる」理由は、条文の一句にある
  • 自分の質問から条を引く

「借地借家法」を開くと、自分に関係のある条が見つかりません。 理由は2つあります。

1つは、この法律が3つの別の話を1つに入れていること。 もう1つは、61条のうち21条が裁判の手続きで、読む必要のない人が大半だということです。

この記事では、どこに何が書いてあるかだけを並べます。

まず、読む場所は3つに分かれている

章 何の話か 条
第二章 土地を借りている 3〜25条
第三章 建物を借りている 26〜40条
第四章 裁判の手続き 41〜61条

★相続で出てくるのは、ほとんど第二章です。 土地を借りて家が建っている、という状態を引き継ぐ話だからです。

1条は、この法律が何のためにあるかを書いています。

この法律は、建物の所有を目的とする地上権及び土地の賃借権の存続期間、効力等並びに建物の賃貸借の契約の更新、効力等に関し特別の定めをするとともに、借地条件の変更等の裁判手続に関し必要な事項を定めるものとする。 ― 借地借家法1条

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「借地権」の意味は2条で決まっている

この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。一 借地権 建物の所有を目的とする地上権又は土地の賃借権をいう。 ― 借地借家法2条1号

★地上権も賃借権も、どちらも借地権です。 「地上権と借地権の違い」という並べ方が成り立たないのは、この定義のためです(詳しくは地上権と借地権の違い)。

★契約で変えられない条は、法律が自分で指している

借地借家法には「強行規定」という見出しの条が5つあります。これはどの条が契約で変えられないかを示す条です。

条 守っている条 守られる人
9条 この節(3〜8条) 借地権者
16条 10条・13条・14条 借地権者・転借地権者
21条 17条〜19条 借地権者・転借地権者
30条 この節(26〜29条) 建物の賃借人
37条 31条・34条・35条 建物の賃借人・転借人

条文はすべて同じ形です。

第十条、第十三条及び第十四条の規定に反する特約で借地権者又は転借地権者に不利なものは、無効とする。 ― 借地借家法16条

★「無効とする」なので、契約書にどう書いてあっても効きません。 ただし不利なものだけです。借地権者に有利な特約は残ります。

守られていない条もある

上の5つに名前が出てこない条は、特約で変えられる余地があります。

条 何の条か 強行規定に入っているか
11条 地代等増減請求権 名前が出てこない
12条 借地権設定者の先取特権 名前が出てこない
15条 自己借地権 名前が出てこない
20条 建物競売等の場合の許可 名前が出てこない
22〜25条 定期借地権等 名前が出てこない

★地代の増減(11条)が強行規定に入っていないのは、契約書を読むときに効きます。 地代の決め方は契約で定められていることが多く、その定め方そのものが争いになります(地代の相場と決め方)。

★定期借地権が「できる」理由は、条文の一句にある

22条は、こう始まります。

存続期間を五十年以上として借地権を設定する場合においては、第九条及び第十六条の規定にかかわらず、契約の更新……及び建物の築造による存続期間の延長がなく、並びに第十三条の規定による買取りの請求をしないこととする旨を定めることができる。 ― 借地借家法22条1項

★「第九条及び第十六条の規定にかかわらず」——つまり、上の強行規定を明示的に外しています。

普通の借地権ではできないことが、定期借地権ではできる。 その根拠は、22条が自分で強行規定の名前を挙げて外しているからです。 だから契約書に「定期借地権」と書いてあるかどうかが、決定的に効きます。

住むためのマンションの場合は、23条が「専ら事業の用に供する建物(居住の用に供するものを除く)」なので使えず、 22条だけが残ります(定期借地権のマンション)。

自分の質問から条を引く

知りたいこと 条 詳しく
何年で切れるのか 3条・4条 借地権を相続したら
更新してもらえるか 5条・6条 借地権付き建物
建て替えたい 7条・17条・18条 借地権付き建物
登記がないが大丈夫か 10条 地上権と借地権の違い
地代を動かしたい 11条 地代の相場と決め方
建物を買い取ってほしい 13条・14条 建物買取請求権とは
売りたいが地主が承諾しない 19条 借地権の売却
競売で取った 20条 借地権の買取
地主から底地を買いたい この法律ではない 底地の買取価格
定期と書いてある 22条〜24条 定期借地権のマンション
相続税の評価 この法律ではない 借地権割合の調べ方

★いちばん下だけは、この法律の外です。評価は国税庁の通達で決まります。

確かめられなかったこと

  • 裁判手続(41〜61条)の中身。条の見出しまでで、本文は引いていません。
  • 旧借地法との関係。附則に経過措置がありますが、附則の条文は取り出せませんでした(同じ条番号が本則と附則の両方にあり、取り違える危険があるため)。 ★平成3年より前に始まった借地は、旧法のままの部分があります。契約の開始年を確かめてください。
  • 判例。条文だけを並べています。実際の争いは条文の当てはめで決まるので、個別の判断は専門家に確かめてください。

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この記事で参照した一次資料

  • e-Gov法令検索「借地借家法」(法令XML・API)(法令番号は平成三年法律第九十号、公布は平成3年10月4日(法令XMLの公布年月日の属性)。本則は61条で、第一章 総則(1〜2条)/第二章 借地(3〜25条・4節)/第三章 借家(26〜40条・3節)/第四章 借地条件の変更等の裁判手続(41〜61条)。条の見出しと本文は API(/api/1/lawdata/403AC0000000090)が返す法令XMLの MainProvision から取得(2026-09-17確認)。引用した条文: 1条(趣旨)・2条(定義。借地権=建物の所有を目的とする地上権又は土地の賃借権)・3条(存続期間30年)・7条(再築による延長。借地権設定者の承諾がある場合に限り20年)・9条(強行規定。この節の規定に反する特約で借地権者に不利なものは無効)・13条(建物買取請求権)・16条(強行規定。10条・13条・14条)・21条(強行規定。17条から19条まで)・22条(定期借地権。第九条及び第十六条の規定にかかわらず)・23条(事業用定期借地権等。専ら事業の用に供する建物(居住の用に供するものを除く))・24条(建物譲渡特約付借地権)・30条(強行規定。この節の規定に反する特約で建物の賃借人に不利なものは無効)・37条(強行規定。31条・34条・35条))

制度と法令についての記述は、上の資料にもとづきます。手続きの進み方や事業者の選び方など、資料で確かめられない部分は「編集部の見立て」として本文中で分けています。当サイトが資料を確認したのは 2026-09-17 です。
法令・制度は改正されます。手続きの前に、必ず最新の条文と担当する専門家の説明をご確認ください。

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