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この記事でわかること
「借地借家法」を開くと、自分に関係のある条が見つかりません。 理由は2つあります。
1つは、この法律が3つの別の話を1つに入れていること。 もう1つは、61条のうち21条が裁判の手続きで、読む必要のない人が大半だということです。
この記事では、どこに何が書いてあるかだけを並べます。
| 章 | 何の話か | 条 |
|---|---|---|
| 第二章 | 土地を借りている | 3〜25条 |
| 第三章 | 建物を借りている | 26〜40条 |
| 第四章 | 裁判の手続き | 41〜61条 |
★相続で出てくるのは、ほとんど第二章です。 土地を借りて家が建っている、という状態を引き継ぐ話だからです。
1条は、この法律が何のためにあるかを書いています。
この法律は、建物の所有を目的とする地上権及び土地の賃借権の存続期間、効力等並びに建物の賃貸借の契約の更新、効力等に関し特別の定めをするとともに、借地条件の変更等の裁判手続に関し必要な事項を定めるものとする。 ― 借地借家法1条
点の内訳と順位の決め方は総合ランキングに書いています。
この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。一 借地権 建物の所有を目的とする地上権又は土地の賃借権をいう。 ― 借地借家法2条1号
★地上権も賃借権も、どちらも借地権です。 「地上権と借地権の違い」という並べ方が成り立たないのは、この定義のためです(詳しくは地上権と借地権の違い)。
借地借家法には「強行規定」という見出しの条が5つあります。これはどの条が契約で変えられないかを示す条です。
| 条 | 守っている条 | 守られる人 |
|---|---|---|
| 9条 | この節(3〜8条) | 借地権者 |
| 16条 | 10条・13条・14条 | 借地権者・転借地権者 |
| 21条 | 17条〜19条 | 借地権者・転借地権者 |
| 30条 | この節(26〜29条) | 建物の賃借人 |
| 37条 | 31条・34条・35条 | 建物の賃借人・転借人 |
条文はすべて同じ形です。
第十条、第十三条及び第十四条の規定に反する特約で借地権者又は転借地権者に不利なものは、無効とする。 ― 借地借家法16条
★「無効とする」なので、契約書にどう書いてあっても効きません。 ただし不利なものだけです。借地権者に有利な特約は残ります。
上の5つに名前が出てこない条は、特約で変えられる余地があります。
| 条 | 何の条か | 強行規定に入っているか |
|---|---|---|
| 11条 | 地代等増減請求権 | 名前が出てこない |
| 12条 | 借地権設定者の先取特権 | 名前が出てこない |
| 15条 | 自己借地権 | 名前が出てこない |
| 20条 | 建物競売等の場合の許可 | 名前が出てこない |
| 22〜25条 | 定期借地権等 | 名前が出てこない |
★地代の増減(11条)が強行規定に入っていないのは、契約書を読むときに効きます。 地代の決め方は契約で定められていることが多く、その定め方そのものが争いになります(地代の相場と決め方)。
22条は、こう始まります。
存続期間を五十年以上として借地権を設定する場合においては、第九条及び第十六条の規定にかかわらず、契約の更新……及び建物の築造による存続期間の延長がなく、並びに第十三条の規定による買取りの請求をしないこととする旨を定めることができる。 ― 借地借家法22条1項
★「第九条及び第十六条の規定にかかわらず」——つまり、上の強行規定を明示的に外しています。
普通の借地権ではできないことが、定期借地権ではできる。 その根拠は、22条が自分で強行規定の名前を挙げて外しているからです。 だから契約書に「定期借地権」と書いてあるかどうかが、決定的に効きます。
住むためのマンションの場合は、23条が「専ら事業の用に供する建物(居住の用に供するものを除く)」なので使えず、 22条だけが残ります(定期借地権のマンション)。
| 知りたいこと | 条 | 詳しく |
|---|---|---|
| 何年で切れるのか | 3条・4条 | 借地権を相続したら |
| 更新してもらえるか | 5条・6条 | 借地権付き建物 |
| 建て替えたい | 7条・17条・18条 | 借地権付き建物 |
| 登記がないが大丈夫か | 10条 | 地上権と借地権の違い |
| 地代を動かしたい | 11条 | 地代の相場と決め方 |
| 建物を買い取ってほしい | 13条・14条 | 建物買取請求権とは |
| 売りたいが地主が承諾しない | 19条 | 借地権の売却 |
| 競売で取った | 20条 | 借地権の買取 |
| 地主から底地を買いたい | この法律ではない | 底地の買取価格 |
| 定期と書いてある | 22条〜24条 | 定期借地権のマンション |
| 相続税の評価 | この法律ではない | 借地権割合の調べ方 |
★いちばん下だけは、この法律の外です。評価は国税庁の通達で決まります。
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