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地代の相場と更新料|公に確かめられる数字は、国税庁の年6%だけ

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最終更新 2026-09-16

この記事でわかること

  • 先に結論:地代と更新料で、確かめられること
  • 「相当の地代=年6%」は、法人税の話
  • 民間の地代の相場を、当サイトが書かない理由
  • 値上げを求められたら:払う額は法律に書いてある
  • まとまらないときは、まず調停

借地の地代がいくらなら妥当なのか、更新のときに更新料を払わないといけないのか。どちらも、調べると「相場は◯倍」という数字がたくさん出てきます。

ただ、その数字の出どころを書いているページは、当サイトが見た範囲ではほとんどありませんでした。 この記事では、公の資料で確かめられることだけを書きます。

先に結論:地代と更新料で、確かめられること

論点 確かめられること 根拠
地代の目安 更地価額のおおむね年6%という数字がある 国税庁 No.5732
その6%の正体 法人税の取扱いで使う数字 同上
民間の地代の相場 公の数字が見つからない —
値上げを言われたら 相当と認める額を払えば足りる 借地借家法11条
もめたとき まず調停を申し立てる 民事調停法24条の2
更新料 法律に定めは無い 借地借家法

★「地代は固定資産税の3〜5倍」といった数字は、この記事では書きません。当サイトが確認した公の資料に、その根拠を示すものが無かったためです。

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「相当の地代=年6%」は、法人税の話

国税庁のタックスアンサー No.5732 は、こう書いています。

この場合の相当の地代の額は、原則として、その土地の更地価額のおおむね年6パーセント程度の金額です。 ― 国税庁 No.5732(令和7年4月1日現在法令等)

数字だけ見ると「地代の相場は年6%」と読めますが、このページの対象税目は法人税です。法人が土地を貸すときに権利金をもらわないと、原則として権利金をもらったものとみなして課税されます(権利金の認定課税)。その課税を避けるために、権利金の代わりに受け取る地代の水準として示されているのが、この6%です。

★民間の地主と借地人の間で、地代をこの額にしなければならない、という決まりではありません。 ただし公に確かめられる、数少ない数字ではあります。話し合いの出発点として使うなら、何のための数字かを分かったうえで使ってください。

同じページには、更地価額の出し方も書かれています。

  • その土地の近くにある類似した土地の公示価格などから合理的に計算した価額
  • その土地の相続税評価額、またはその評価額の過去3年間の平均額

相続税評価額の調べ方は借地権割合とはと路線価の調べ方にまとめています。

民間の地代の相場を、当サイトが書かない理由

不動産の売買価格には、国土交通省の不動産情報ライブラリのように、公的に公表されている取引価格があります。一方で借地の地代には、同じように全国の実額を公表している公の資料を、当サイトは見つけられませんでした。

地代は、契約した年・土地の場所・建物の用途・権利金や保証金を払ったかどうかで変わります。 同じ地域でも、契約ごとに違うのが実態です。

値上げを求められたら:払う額は法律に書いてある

地主から「地代を上げたい」と言われたとき、合意しなければ払わなくてよいわけでも、言われた額を払わなければならないわけでもありません。

借地借家法11条は、まずどんなときに増減を請求できるかを定めています。

地代又は土地の借賃…が、土地に対する租税その他の公課の増減により、土地の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動により、又は近傍類似の土地の地代等に比較して不相当となったときは、契約の条件にかかわらず、当事者は、将来に向かって地代等の額の増減を請求することができる。 ― 借地借家法11条1項

★理由として条文が挙げているのは3つです。租税その他の公課の増減、土地の価格や経済事情の変動、近傍類似の土地との比較。 固定資産税・都市計画税の額は納税通知書で分かるので、話し合いの材料になります。

同じ条文の2項は、まとまらないあいだ、いくら払えばよいかを定めています。

地代等の増額について当事者間に協議が調わないときは、その請求を受けた者は、増額を正当とする裁判が確定するまでは、相当と認める額の地代等を支払うことをもって足りる。 ― 借地借家法11条2項

★払わずに止めるのではなく、自分が相当と考える額を払い続けるのが、条文の形です。ただし裁判で不足が確定したときは、不足額に年1割の利息を付けて払うことになります(同項ただし書)。借地人から減額を請求する場合も同じ作りで、もらいすぎが確定したときは地主が年1割の利息を付けて返します(3項)。

まとまらないときは、まず調停

地代の増減は、いきなり裁判を起こす手続きではありません。

借地借家法…第十一条の地代若しくは土地の借賃の額の増減の請求…に関する事件について訴えを提起しようとする者は、まず調停の申立てをしなければならない。 ― 民事調停法24条の2第1項

調停を申し立てずに訴えた場合、裁判所がその事件を調停に付さなければならないとも書かれています(同条2項)。裁判所の案内によると、民事調停は借地借家をめぐる紛争や賃料の増減を扱い、不動産鑑定士などの専門家が調停委員として関与することがあります。

段階 何をするか 根拠
1 当事者で話し合う 借地借家法11条
2 簡易裁判所に調停を申し立てる 民事調停法24条の2
3 まとまらなければ訴える 民事調停法14条・19条

★調停がまとまらなかったときは、通知を受けた日から2週間以内に訴えてください。その訴えは調停を申し立てたときに起こしたものとみなされます(民事調停法19条)。さらに、調停で納めた手数料に相当する額は、訴えの手数料として納めたものとみなされます(民事訴訟費用等に関する法律5条1項)。

申立ての手数料は、争っている金額をもとに決まります。金額は申立て先の簡易裁判所で確認してください。当サイトでは、地代の調停の手数料の一覧を一次資料で確認できていません。

更新料に、法律の定めは無い

借地借家法の条文に「更新料」という語はありません。当サイトが e-Gov の全文で確認しました(2026-09-16)。つまり、更新料を払う義務が法律で定められている、ということはありません。

一方で、期間が満了したときの扱いは条文にあります。

条文 内容
3条 借地権の存続期間は30年
4条 更新後は10年。最初の更新は20年
5条1項 建物があれば、更新の請求で従前と同じ条件の更新とみなす
5条2項 期間の満了後も使い続けたときも同じ
6条 地主が異議を述べるには正当の事由が要る

★建物が建っていれば、期間が来ても契約は続くのが原則です(法定更新)。地主が更新を拒むには、6条の正当の事由が要ります。 6条は、双方が土地を必要とする事情・これまでの経過・土地の利用状況に加えて、立退料の申出があればそれも考慮する、と定めています。

では更新料はどうなるのか。契約書に更新料の定めがあるかどうかが出発点です。 ★借地の更新料について、支払義務の有無を示した最高裁の判断を、当サイトは一次資料で確認できていません。建物の賃貸借(部屋を借りる場合)の更新料をめぐる裁判例と、借地の事案は別のものです。混ぜて説明しているページがありますが、当サイトは確認できたことだけを書きます。

まず契約書を出して、更新料の条項があるかどうかを読んでください。そのうえで、金額に納得できないなら弁護士に相談することになります。

地代や更新料でもめたときの相談先

当サイトに記録している会社のうち、借地権を専門に扱うと公式サイトに掲げている1社です。

会社 公式サイトの表記 対応エリアの表記
借地権 無料相談ドットコム 借地権の買取専門。地主との交渉を代行 東京・神奈川・埼玉・千葉

出典: 同社の公式サイト(2026-08-23確認。エリアは2026-09-06確認。トップページと「地主とのトラブル」のFAQは2026-09-16確認)

  • トップページに「更新料が高すぎる!」「地代を値上げされそうになってしまい困っている!」を、相談の例として挙げています
  • 「地主とのトラブル」のFAQに、地代の値上げ・承諾料・明渡し請求の項目があります
  • 宅地建物取引業の免許は東京都知事免許(3)第99010号と会社概要に記載があります

★対応エリアは首都圏の1都3県です。それ以外の土地は、この窓口の対象に入っていません。 ★この会社は借地権を買い取る会社です。地代の交渉そのものを代わりにやってもらう窓口ではありません。「手放す」方向で考えるときの相談先として見てください。手放す方法は借地権の買取と借地権の売却にまとめています。

底地を売る・買うときの価格の考え方は、底地の買取価格にまとめています。

この記事でできていないこと

  • 民間の地代の相場(固定資産税の何倍か、更地価額の何%か)は書いていません。公の資料で確認できなかったためです
  • 更新料の相場も書いていません。同じ理由です
  • 借地の更新料についての最高裁の判断は、一次資料で確認できていません
  • 調停の申立て手数料の具体額は確認できていません。申立て先の簡易裁判所で確認してください
  • あなたの土地でいくらが相当かは判断できません。不動産鑑定士や弁護士の領域です
  • 定期借地権の地代と更新の扱いは、この記事では扱っていません

次にやること

いまの状況 次にやること
値上げを言われた 契約書と固定資産税の納税通知書を出す
払う額に迷う 相当と考える額を払い続ける(11条2項)
話がまとまらない 簡易裁判所に調停を申し立てる
更新料を請求された 契約書に条項があるか読む
土地の評価を知りたい 借地権割合とは
手放すことも考えている 借地権の買取

よくある質問

地代の相場はいくらですか?

当サイトは民間の相場の数字を書いていません。公の資料で確認できなかったためです。公に確かめられるのは、国税庁 No.5732 の「相当の地代は更地価額のおおむね年6%」という数字だけで、これは法人税の取扱いで使うものです。

地代は固定資産税の3倍というのは本当ですか?

その根拠を、当サイトは確認できていません。 ただし借地借家法11条1項は、増減を請求できる理由の1つに「土地に対する租税その他の公課の増減」を挙げています。固定資産税・都市計画税の額が話し合いの材料になること自体は、条文から読み取れます。

値上げに納得できないとき、地代を払わなくてもいいですか?

払い続けてください。借地借家法11条2項は、協議が調わないあいだは相当と認める額を払えば足りると定めています。払うのを止めると、地代の不払いという別の問題になります。裁判で不足が確定したときは、不足額に年1割の利息が付きます。

更新料を払わないと、契約は終わってしまいますか?

借地借家法に更新料の定めはありません。建物があれば、期間が満了しても従前と同じ条件で更新したものとみなされ、地主が異議を述べるには正当の事由が要ります(5条・6条)。ただし契約書に更新料の条項がある場合の扱いは、契約の内容によります。契約書を確認したうえで、弁護士に相談してください。

地代でもめたら、いきなり裁判を起こせますか?

できません。民事調停法24条の2は、地代の増減の訴えを起こそうとする者はまず調停を申し立てなければならないと定めています。調停を経ずに訴えた場合、裁判所がその事件を調停に付さなければならないとも書かれています。

この記事に関係する相談先(区分「訳あり・共有持分・借地権」の台帳から)

当サイトが公式サイトの表記を確認して記録している会社です(名称順。区分の順位はランキングにあります)。

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この記事で参照した一次資料

  • 国税庁 タックスアンサー No.5732「相当の地代及び相当の地代の改訂」(対象税目は法人税。相当の地代は更地価額のおおむね年6パーセント程度。更地価額は相続税評価額またはその過去3年間の平均額によることも認められる(令和7年4月1日現在法令等/2026-09-16確認))
  • e-Gov法令検索「借地借家法」(3条(存続期間30年)・4条(更新後は10年、最初の更新は20年)・5条(更新請求と使用の継続)・6条(更新拒絶には正当の事由)・11条(地代等増減請求権、相当と認める額、年1割の利息)。条文に「更新料」の語は無い(2026-09-16確認))
  • e-Gov法令検索「民事調停法」(24条の2(地代借賃増減請求事件の調停の前置)・14条(調停の不成立)・19条(不成立の通知から2週間以内の訴えは、調停の申立ての時にあったものとみなす)(2026-09-16確認))
  • e-Gov法令検索「民事訴訟費用等に関する法律」(5条1項(民事調停法19条の訴えの提起の手数料は、調停の申立てについて納めた額に相当する額を納めたものとみなす)(2026-09-16確認))
  • 裁判所「民事調停」(借地借家をめぐる紛争・賃料の増減を扱う。不動産鑑定士等の専門家の調停委員が関与することがある(2026-09-16確認))

制度と法令についての記述は、上の資料にもとづきます。手続きの進み方や事業者の選び方など、資料で確かめられない部分は「編集部の見立て」として本文中で分けています。当サイトが資料を確認したのは 2026-09-16 です。
法令・制度は改正されます。手続きの前に、必ず最新の条文と担当する専門家の説明をご確認ください。

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