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借地権割合とは|路線価図のA〜Gの読み方と、借地権・地上権・底地の評価の違い

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最終更新 2026-09-15

この記事でわかること

  • 先に結論:借地権割合の読み方
  • 借地権割合はどこに載っているか
  • 国税庁の計算例で見る:借地権と底地
  • 借地権割合は、何に使う割合ではないか
  • 借地権とは:地上権と賃借権の2つ

親の家が借地に建っていて、相続税の話になったとき、「借地権割合」という言葉が出てきます。路線価図の数字の後ろにあるA〜Gのアルファベットのことです。

この割合は、国税庁が相続税・贈与税で借地権を評価するために、地域ごとに定めたものです。何に使う割合で、何に使う割合ではないのか。借地権とは何か、地上権とどう違うのかも合わせて整理します。

先に結論:借地権割合の読み方

記号 A B C D E F G
割合 90% 80% 70% 60% 50% 40% 30%

出典: 国税庁「路線価図の説明」

評価するもの 計算 出典
借地権 自用地の価額×借地権割合 No.4611
底地(貸宅地) 自用地の価額-借地権の価額 No.4613

★「自用地としての価額」は、他人の権利が付いていない土地(いわゆる更地)としての価額です(No.4611)。 ★定期借地権は、この計算になりません。No.4611 は定期借地権等を別の方法で評価すると書いています。

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借地権割合はどこに載っているか

国税庁は、借地権割合を「借地事情が似ている地域ごとに定められており、路線価図や評価倍率表に表示されています」と説明しています(No.4611)。

土地のある地域 載っている場所
路線価のある地域 路線価図の、数字の後ろの記号
倍率地域 評価倍率表の「借地権割合」欄

どちらも国税庁の「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」で見られます。都道府県→市区町村→町丁名の順に選びます。 ★年分を選べます。相続税なら、亡くなった日の年分を開いてください。

路線価図の「215D」の読み方

国税庁の説明では、「215D」は1平方メートル当たりの路線価が215,000円で、借地権割合が60%です。数字は千円単位、アルファベットが借地権割合です。

★路線価図の地図に「倍率地域」と書いてあれば、評価倍率表を見ます。路線価図の引き方と、奥行や形の補正は土地の相続税評価額の調べ方にまとめています。

国税庁の計算例で見る:借地権と底地

国税庁「路線価図の説明」の計算例を使います。路線価「300C」、奥行35メートル、700平方メートルの土地です。

  1. 自用地としての価額:30万円×奥行価格補正率0.97で、1平方メートル当たり291,000円。700平方メートルを掛けて2億370万円
  2. 借地権の価額:記号がCなので70%。2億370万円×70%で1億4,259万円(ここまで国税庁の例)
  3. 底地(貸宅地)の価額:No.4613 の算式で、2億370万円-1億4,259万円=6,111万円(当サイトが同じ数字で計算)

★同じ土地を、借りている人と貸している人とで分けて評価する形です。借地権割合が高い地域ほど、借りている側の評価が大きくなります。 ★No.4613 は、借地権の取引慣行がないと認められる地域の貸宅地は、借地権割合を20%として計算すると書いています。

借地権割合は、何に使う割合ではないか

国税庁が借地権割合を説明しているのは、相続税・贈与税の財産評価の中です(No.4611 の対象税目は相続税・贈与税)。 地域ごとに定められているので、あなたの借地の契約の中身(残りの期間、地代の額、地主が譲渡を承諾するか)は、この割合に入っていません。

  • 借地権を地主や第三者に売るときの価格は、当事者の合意で決まります。借地権割合をそのまま掛ければよい、と定めた規定は確認できていません
  • 地主が承諾しないときの裁判所の手続き(借地非訟)では、東京地裁の案内によると、鑑定委員会が「建物及び借地権価格等」について意見を出します
  • 借地人が底地を買い取るときの価格も、地主との合意です。上の「底地の評価額」は相続税・贈与税の評価のための数字です

★「借地権割合が70%だから、70%で売れる」とは読まないでください。売るときの数字は、買取業者や不動産会社の提示額を複数並べて確かめます。売り方は借地権の売却、買い取ってもらう相手の選び方は借地権の買取にあります。

借地権とは:地上権と賃借権の2つ

借地借家法2条1号は、借地権を次のように定めています。

借地権 建物の所有を目的とする地上権又は土地の賃借権をいう。 ― 借地借家法2条1号

つまり借地権は、建物を建てて持つために土地を使う権利で、中身は地上権か土地の賃借権のどちらかです。

地上権 土地の賃借権
民法の規定 265条 601条
条文の中身 他人の土地で工作物などを所有するため使う権利 賃料を払って物を使う契約
612条(承諾) 賃借権の規定 地主の承諾が要る
承諾に代わる許可 — 借地借家法19条

★民法612条の「地主の承諾」は、賃借権についての規定です。契約書に「賃貸借」とあるか、「地上権設定」とあるかを確かめてください。東京地裁の案内も、19条の許可を「借地契約が土地の賃貸借契約の場合」の手続きとして説明しています。

無償で借りている土地は、借地権ではない

東京地裁は、土地を借りる契約を土地賃貸借契約(地代を支払うもの)・土地使用貸借契約(無料で使わせてもらうもの)・地上権設定契約の3つに分けています。そのうえで、借地非訟が扱う借地権は「建物の所有を目的とする土地賃貸借契約又は地上権設定契約」だと書いています。

★親の土地に子が無料で家を建てているような場合は、使用貸借(民法593条)で、借地借家法の借地権には当たりません。借地権割合を使った評価とは話が別です。

借地権付き建物とは

借地権付き建物は、借地の上に建っている建物を、借地権と一緒に扱うときの呼び方です。借地借家法10条は、借地権の登記がなくても、土地の上に借地権者が登記されている建物を所有するときは、借地権を第三者に対抗できると定めています。

★相続したら、建物の登記名義を相続人に移しておくことが、借地権を守ることにもつながります。承諾の要否は借地権の相続にまとめました。

底地を売る・買うときの価格の考え方は、底地の買取価格にまとめています。

この記事でできていないこと

  • 借地権を売るときの価格・相場は書いていません。借地権割合は評価のための割合で、売買の相場を示す一次資料を確認できていないためです
  • 定期借地権等の評価の計算は扱っていません
  • 相当の地代を払っている場合や、土地の無償返還の届出がある場合の評価は扱っていません
  • 使用貸借の土地の相続税の扱いは、この記事では扱っていません
  • 借地権の取引慣行がないと認められる地域かどうかの判断は、していません

次にやること

いまの状況 次にやること
借地権割合を調べたい 財産評価基準書で、亡くなった年分の路線価図を開く
地図に「倍率地域」とある 評価倍率表の「借地権割合」欄を見る
相続税の評価額を出したい 土地の評価額の調べ方で補正まで計算
借地権を相続したばかり 承諾の要否を借地権の相続で確認
借地権を手放したい 売却と買取の相手を読み、相談先へ

よくある質問

借地権割合とは何ですか?

国税庁が、相続税・贈与税で借地権を評価するために、借地事情が似ている地域ごとに定めた割合です(No.4611)。路線価図ではA〜Gの記号(A:90%、B:80%、C:70%、D:60%、E:50%、F:40%、G:30%)で、倍率地域では評価倍率表の「借地権割合」欄で示されます。

借地権の相続税評価額はどう計算しますか?

自用地としての価額×借地権割合です(No.4611)。国税庁の計算例では、自用地としての価額2億370万円、借地権割合70%で、借地権の価額は1億4,259万円です。定期借地権等は別の方法で評価します。

借地権と地上権の違いは何ですか?

借地権は「建物の所有を目的とする地上権又は土地の賃借権」です(借地借家法2条1号)。地上権は借地権の中身の1つです。土地の賃借権を売るには地主の承諾が要り(民法612条)、得られないときは借地借家法19条の許可を申し立てられます。

借地人が底地を買い取る場合、価格はどう決まりますか?

地主との合意で決まります。相続税・贈与税の評価では、底地(貸宅地)は「自用地としての価額-自用地としての価額×借地権割合」で計算しますが(No.4613)、これは税の評価のための算式です。

借地権割合が60%なら、借地権は更地の60%で売れますか?

そうとは限りません。借地権割合は地域ごとの評価のための割合で、残りの期間や地代、地主の承諾といった個々の契約の中身は入っていません。売るときは、複数の買取業者や不動産会社の提示額を比べてください。

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制度と法令についての記述は、上の資料にもとづきます。手続きの進み方や事業者の選び方など、資料で確かめられない部分は「編集部の見立て」として本文中で分けています。当サイトが資料を確認したのは 2026-09-15 です。
法令・制度は改正されます。手続きの前に、必ず最新の条文と担当する専門家の説明をご確認ください。

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