1位 家族信託「おやとこ」
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認知症による資産凍結を防ぐ家族信託。相続が起きる前に使う

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この記事でわかること
兄弟の相続でいちばん多いのは、預金は分けられたのに、実家だけが決まらないという止まり方です。
お金は割り算できますが、家は切って分けられません。そのため「とりあえず共有にしておく」で終わり、何年もそのままになります。
この記事は、実家が残ったときに何を選ぶことになるのかを、条文と裁判所の案内から整理したものです。
「兄弟の相続」と書かれた記事は、次の2つを混ぜていることがあります。使う条文も、できることも違います。
| 場面 | 誰が相続人か | 根拠 |
|---|---|---|
| 親が亡くなり、子である兄弟で分ける | 子(と配偶者) | 民法887条 |
| 兄弟姉妹が亡くなり、その兄弟姉妹が受け継ぐ | 子も親もいないとき | 民法889条 |
★検索して来る方の多くは上の場面です。下の場面(兄弟姉妹が相続人になる)だけに当てはまる話は、次の節にまとめました。
誰がどれだけ受け取るかという割合そのものは、相続割合に書いています。この記事は割合が決まった後に残る不動産を扱います。
点の内訳と順位の決め方は総合ランキングに書いています。
民法1042条は、遺留分を受け取れる人をこう定めています。
兄弟姉妹以外の相続人は、遺留分として… ― 民法1042条
★兄弟姉妹は、この条文から外されています。遺言で「全部を配偶者に」と書かれていた場合、子や親であれば取り返せる部分がありますが、兄弟姉妹にはその仕組みがありません。
子の系統では、子が先に亡くなっていれば孫へ、孫も亡くなっていればひ孫へと移ります(民法887条2項・3項)。兄弟姉妹の場合、889条2項が準用しているのは887条2項だけです。
★つまり甥・姪までで止まり、その子には移りません。
ただし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の二分の一とする。 ― 民法900条4号ただし書
裁判所は、兄弟姉妹が相続人になる場合の遺産分割調停の必要書類として、被相続人の父母の出生から死亡までのすべての戸籍を挙げています。親が誰かを示すだけでは足りず、ほかに子がいないことまで戸籍でたどる必要があるためです。
| 分け方 | 中身 | どこで止まるか |
|---|---|---|
| 現物分割 | 土地を分筆して分ける | 家は切って分けられない |
| 代償分割 | 1人が家を取り、他に金銭を渡す | 渡す側にまとまった現金が要る |
| 換価分割 | 売って代金を分ける | 全体を売るには全員の同意が要る |
| 共有分割 | 持分で登記する | 先送りになる。売るとき再び全員の同意 |
出典: 分け方の4つは民法906条(分割の基準)と実務上の呼び方。条文が4つの名前を並べているわけではありません
★「決まらないから、とりあえず共有」がいちばん多い着地です。ただしこれは決めたことになりません。次の世代でさらに相続が起きると、話し合う相手が兄弟から甥・姪へ、その子へと増えていきます。
代償分割は、1人が実家を取り、ほかの兄弟に金銭を渡す形です。国税庁は現物分割が困難な場合に行われるものと説明しています。
ここで見落とされやすいのが、金銭の代わりに自分名義の不動産を渡したときの扱いです。
代償財産として交付する財産が相続人固有の不動産の場合には…その履行した人については、その履行の時における時価によりその資産を譲渡したことになり、所得税が課税されます。 ― 国税庁 No.4173
★現金が用意できないからと自分の土地を渡すと、渡した側に譲渡所得の税金がかかります。渡す前に税理士か税務署へ確認してください。
相続税の課税価格も動きます。渡した人は現物の価額から渡した額を引いた金額、受け取った人は現物の価額に受け取った額を足した金額で計算します(No.4173)。
売って代金を分ける形です。全体を売るには相続人全員の同意が要ります。
売る前に相続登記が済んでいる必要があること、売った後の税金の計算は、相続した不動産の売却にかかる税金と実家の売却にまとめています。
★相続人が3人以上いると、空き家の3,000万円特例は2,000万円までに下がります(令和6年1月1日以後の譲渡・国税庁 No.3306)。兄弟が何人で分けるかによって、手取りが変わります。
持分で登記して共有にすると、その場は収まります。ただし共有物の扱いは、後から動かすのが難しくなります。
話がまとまらない共有は、最終的に裁判所に分割を請求することになります。民法258条は、裁判所が命じられる方法として現物の分割とほかの共有者に持分を取得させる形を挙げ、それができない場合や価格を著しく減少させるおそれがある場合は競売を命ずることができると定めています。
共有のまま置いたときに起きることと、自分の持分だけを動かす手だては共有名義の相続不動産に、持分を買い取る会社の選び方は共有持分の買取業者にまとめています。
裁判所の案内から、先に知っておくと動きやすい点です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 誰が申し立てるか | 共同相続人・包括受遺者・相続分譲受人 |
| 相手方 | ほかの相続人の全員 |
| 申立先 | 相手方の一人の住所地の家庭裁判所 |
| 費用 | 被相続人1人につき収入印紙1,200円分と郵便切手 |
| まとまらないとき | そのまま審判の手続へ |
出典: 裁判所「遺産分割調停」(2026-09-15確認)
★郵便切手の額は裁判所ごとに違います。申し立てる家庭裁判所のページで確認してください。
★戸籍等に代えて法定相続情報一覧図の写しを出せる場合があります(提出先の家庭裁判所に確認)。一覧図は法務局で交付を受けられます。
法務省は、令和3年の民法改正で早期の遺産分割を促す新たなルールが導入され、令和5年4月1日に始まったと説明しています。
その中身が民法904条の3です。
前三条の規定は、相続開始の時から十年を経過した後にする遺産の分割については、適用しない。 ― 民法904条の3
前三条は、特別受益(生前にもらった分)と寄与分(介護などの貢献)の規定です。
★10年を過ぎると、「兄は家を建ててもらった」「私だけが介護した」といった事情を、分割で主張できなくなります。例外は、10年を過ぎる前に家庭裁判所へ遺産分割を請求していた場合などです(同条ただし書)。
★相続登記そのものにも3年の期限があります。間に合わないときの手続きは相続した不動産の名義変更に、話し合いがまとまったときに残す書面は遺産分割協議書の書き方にあります。
| いまの状況 | 次にやること |
|---|---|
| 誰が相続人か確かめたい | 戸籍をたどる。相続割合で順位を見る |
| 話し合いはできている | 遺産分割協議書に残す |
| 実家を売って分けたい | 実家の売却で流れを見る |
| すでに共有になっている | 共有名義の相続不動産 |
| 自分の持分だけ手放したい | 共有持分の買取業者 |
| 相続から10年が近い | 家庭裁判所への請求を専門家に相談する |
| 手続きをまとめて任せたい | 専門家に相談する |
全体を売るには、原則として相続人全員の同意が要ります。1人でも反対していれば、その形では売れません。
ただし、遺産分割が済んで共有名義になっているなら、自分の持分だけを売ることはできます。詳しくは共有名義の相続不動産に書いています。話し合いそのものが進まないなら、家庭裁判所の遺産分割調停という道があります。
ありません。民法1042条は「兄弟姉妹以外の相続人は、遺留分として…」と定めていて、兄弟姉妹は対象から外れています。
亡くなった方が兄弟姉妹以外に全財産を渡す遺言を残していた場合、兄弟姉妹の立場では取り戻す仕組みがない、ということです。
できますが、渡した側に所得税がかかります。国税庁 No.4173 は、代償財産として相続人固有の不動産を交付した場合、その時の時価で資産を譲渡したことになると説明しています。
現金で渡す場合と税金の扱いが変わるので、実行する前に税理士か税務署に確認してください。
分けること自体はできます。期限が付くのは、特別受益と寄与分の主張です(民法904条の3)。
10年を過ぎた後の分割では、原則として法定相続分(と指定相続分)で分けることになります。10年を過ぎる前に家庭裁判所へ遺産分割を請求していた場合などは例外です。
裁判所の案内では、被相続人1人につき収入印紙1,200円分と連絡用の郵便切手です。郵便切手の額は裁判所ごとに違うため、申立先の裁判所のページで確認してください。
弁護士に依頼する場合の費用は別です。当サイトでは弁護士費用の相場を確認していないため、金額は書いていません。
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制度と法令についての記述は、上の資料にもとづきます。手続きの進み方や事業者の選び方など、資料で確かめられない部分は「編集部の見立て」として本文中で分けています。当サイトが資料を確認したのは 2026-09-15 です。
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出典の確認日: 2026-08-27