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この記事でわかること
共有名義の不動産を1人の名義にまとめたいとき、いくらかかるのか。
調べると「登録免許税は0.4%」と書いてあるページと「2%」と書いてあるページが両方出てきます。 どちらも正しいことがあります。税率は不動産の値段ではなく、どの原因で名義を移すかで決まるからです。
この記事では、条文で確かめられる税率と、原因の選び方で何が変わるかだけを書きます。
| 移す原因 | 登録免許税 | 条文 |
|---|---|---|
| 相続 | 0.4% | 別表第一 一(二)イ |
| 共有物分割 | 0.4% | 別表第一 一(二)ロ |
| 贈与・売買 | 2% | 別表第一 一(二)ハ |
出典: 登録免許税法 別表第一 第一号(2026-09-17確認)
★共有物の分割は、相続と同じ0.4%です。贈与や売買として移すと2%になるので、同じ不動産で5倍の差が出ます。 ★ただし、原因は選べるものではありません。実際に何があったかで決まります。あとで詳しく書きます。
点の内訳と順位の決め方は総合ランキングに書いています。
登録免許税法の別表第一は、所有権の移転の登記をこう分けています。
(二)所有権の移転の登記 イ 相続又は法人の合併による移転の登記 不動産の価額 千分の四 ロ 共有物の分割による移転の登記 不動産の価額 千分の四 ハ その他の原因による移転の登記 不動産の価額 千分の二十 ― 登録免許税法 別表第一 第一号
千分の四は0.4%、千分の二十は2%です。
★「ロ 共有物の分割」が独立して置かれていることが、この記事の要点です。贈与も売買も「ハ その他の原因」に入るので2%ですが、共有物の分割は相続と同じ0.4%の側に書かれています。
★借地権のような権利を1人にまとめる場合は、別の行です。同じ表の(三)ハ「共有に係る権利の分割による移転の登記」は千分の二(0.2%)です。所有権と権利で税率が違います。
課税標準は固定資産評価額で、実際の売買価格ではありません。端数の処理と、計算が1,000円未満になるときの扱いは相続登記の費用に条文つきで書いてあります。この記事では繰り返しません。
ここが費用を左右します。名義をまとめるときに実際に起きていることは、だいたい次の3つです。
| 何をしたか | 登記の原因 | 税率 |
|---|---|---|
| 共有をやめた | 共有物分割 | 0.4% |
| タダで渡す | 贈与 | 2% |
| 買い取った | 売買 | 2% |
★「共有物分割にしておけば安い」という話ではありません。共有物の分割は、共有をやめて権利を整理するという実体があってはじめて成り立ちます。実際は持分を買っているのに原因だけ分割と書く、ということはできません。
★不動産が1つしかない共有では、現物で分けられないことがあります。その場合に1人が全部を取得して代金を払う形は、実質的に買い取りに近づきます。どの原因になるかは登記の場面で判断されるので、登記の前に司法書士に確かめてください。
登録免許税とは別に、もらった側に贈与税がかかることがあります。国税庁は暦年課税の計算をこう示しています。
| 基礎控除後 | 税率 | 控除額 |
|---|---|---|
| 〜200万円 | 10% | — |
| 〜300万円 | 15% | 10万円 |
| 〜400万円 | 20% | 25万円 |
| 〜600万円 | 30% | 65万円 |
| 〜1,000万円 | 40% | 125万円 |
| 〜1,500万円 | 45% | 175万円 |
| 〜3,000万円 | 50% | 250万円 |
| 3,000万円超 | 55% | 400万円 |
出典: 国税庁 No.4408「贈与税の計算と税率(暦年課税)」(令和8年4月1日現在法令等・2026-09-17確認)
★これは一般贈与財産用の速算表です。親子など特定の関係では別の表(特例贈与財産用)があります。どちらに当たるかは国税庁のページで確認してください。
★持分の評価額が110万円を超えると、税率が2%の登記費用より重くなることがあります。「登録免許税を安くする」ことだけを見て原因を決めると、税金の側で逆転します。
相手が応じないときの道は、条文に用意されています。
各共有者は、いつでも共有物の分割を請求することができる。ただし、五年を超えない期間内は分割をしない旨の契約をすることを妨げない。 ― 民法256条1項
協議が調わないときは、裁判所に請求できます。
共有物の分割について共有者間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、その分割を裁判所に請求することができる。 ― 民法258条1項
裁判所が命じられる方法は2つ挙げられていて、どちらもできないときなどに競売になります。
| 方法 | 条文の書き方 |
|---|---|
| 現物分割 | 共有物の現物を分割する方法 |
| 賠償分割 | 債務を負担させて持分を取得させる |
| 競売 | 上の方法でできないとき等 |
出典: 民法258条2項・3項(2026-09-17確認)
★2号の「共有者に債務を負担させて、他の共有者の持分の全部又は一部を取得させる方法」が、1人にまとめる形そのものです。裁判所は、価格の賠償・物の引渡し・登記手続の履行まで命じることができます(同条4項)。
★遺産分割が済んでいない共有は、別枠です。民法258条の2は、遺産共有の持分については先に遺産分割で決めるものとし、相続開始から10年を経過したときの例外を置いています。まず兄弟で遺産を分けると遺産分割協議書の書き方を見てください。
報酬に基準はなく、事務所ごとに決まります。日本司法書士会連合会が公表しているアンケートの平均額(所有権移転登記の相続・贈与など)は相続登記の費用にまとめました。この記事では数字を繰り返しません。
★見積もりは「報酬」と「実費」を分けて出してもらってください。登録免許税は誰がやってもかかるので、比べる意味があるのは報酬の部分です。
1人にまとめるにはお金を出す側が必要です。それが用意できないときは、逆に自分の持分を手放す選択が残ります。
| 窓口 | 公式サイトの表記 | 成果になる段階 |
|---|---|---|
| 訳あり物件 |
共有持分・借地権・底地・再建築不可に対応 | 買取の問い合わせ |
| 相続アシスト | 税理士・弁護士・司法書士が連携。申告から登記まで | Webフォームの申込 |
出典: 各社の公式サイト(訳あり物件
★持分だけを売る話は共有名義の相続不動産、買取業者に売る前の確認は共有持分の買取業者にまとめています。この記事は1人にまとめる側の費用だけを扱っています。
条件から窓口を絞りたいときは訳あり物件・共有名義・借地権の買取業者と状況から相談先を選ぶから入ってください。
| いまの状況 | 次にやること |
|---|---|
| 税額を知る | 固定資産税の納税通知書で評価額を見る |
| 原因が分からない | 実際にお金が動くかを整理する |
| 相手が拒む | 民法256条の分割請求を確認 |
| 遺産分割が先 | 兄弟で遺産を分ける |
| 報酬を知る | 相続登記の費用 |
| 手放す方を考える | 共有名義の相続不動産 |
移す原因で決まります。共有物の分割による移転なら千分の四(0.4%)、贈与や売買による移転なら千分の二十(2%)です(登録免許税法 別表第一 第一号(二)ロ・ハ)。相続による移転も0.4%です。
原因は選ぶものではありません。共有物の分割は、共有をやめて権利を整理したという実体があって成り立ちます。実際は持分を買っているのに分割として登記することはできません。どの原因になるかは、登記の前に司法書士に確かめてください。
もらった側に贈与税がかかることがあります。暦年課税の基礎控除は110万円で、それを超えた部分に速算表の税率がかかります(国税庁 No.4408)。持分の評価額が大きいと、登録免許税の差より贈与税のほうが重くなることがあります。
民法256条1項は各共有者はいつでも共有物の分割を請求できると定めています。協議が調わないときは258条1項で裁判所に請求できます。裁判所は、持分を取得させる方法や、登記手続の履行まで命じることができます(同条4項)。
違います。民法258条の2は、遺産共有の持分については先に遺産分割で決めるものとしています。相続開始から10年を経過したときの例外が置かれています。まず遺産分割を進めてください。
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下の数字は、官公庁のページに書かれている内容です。制度は変わることがあるので、判断の前に一次情報を確かめてください。
出典の確認日: 2026-08-27