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この記事でわかること
道路から細い通路が伸びて、その奥に敷地が広がっている土地。いわゆる旗竿地です。
売ろうとすると「売れない」「安くなる」と言われます。ただ、建築基準法の全文を検索しても「旗竿地」という言葉は出てきません。「路地状」も0回です。
つまり旗竿地は、法律上の分類ではありません。では何が売れにくさを決めているのか。この記事では条文と条例の原文だけで追います。
| 論点 | 確かめられること | 根拠 |
|---|---|---|
| 法律上の分類か | 言葉自体が無い | 建築基準法(全文で0回) |
| 法律が定めること | 道路に2メートル以上接する | 43条1項 |
| 通路の幅の規定 | 法律には無い | 43条1項 |
| 幅を決めているもの | 条例 | 40条・43条3項 |
| 東京都の場合 | 長さ20メートル超で3メートル以上 | 都建築安全条例3条 |
| 3階建て | 幅員4メートル未満は建てられない | 同3条の2 |
★旗竿地と再建築不可は、同じものではありません。2メートル以上接していれば43条1項の要件は満たします。再建築不可かどうかの調べ方は再建築不可物件の調べ方にあります。
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法令の全文を機械で数えました。
| 語 | 建築基準法での出現 |
|---|---|
| 旗竿 | 0回 |
| 路地状 | 0回 |
| 袋路状道路 | 1回(43条3項5号) |
出典: e-Gov法令検索「建築基準法」(2026-09-16確認)
条文にあるのは袋路状道路という語で、43条3項5号がこう定義しています。
その敷地が袋路状道路(その一端のみが他の道路に接続したものをいう。)にのみ接する建築物で、延べ面積が百五十平方メートルを超えるもの(一戸建ての住宅を除く。) ― 建築基準法43条3項5号
★これは「行き止まりの道」の定義で、敷地の形の話ではありません。旗竿地という形を名指しした条文は、法律の側にありません。
接道義務の条文は、こうです。
建築物の敷地は、道路(次に掲げるものを除く。第四十四条第一項を除き、以下同じ。)に二メートル以上接しなければならない。 ― 建築基準法43条1項
ここで注意したいのは、2メートルが何の寸法なのかです。
条文は敷地が道路に接する部分の長さについて2メートル以上と定めています。 通路の途中の幅がどれだけ必要か、通路の長さが何メートルまで許されるかは、この条文に書かれていません。
★ここが旗竿地の要点です。竿の部分が入口だけ2メートルあって奥で狭まっていても、43条1項の文面だけでは判断できません。
なお43条1項は、道路から2つを除いています。自動車のみの交通の用に供する道路(1号)と、地区計画の区域内の道路(2号)です。高速道路に接していても要件を満たさない、ということです。
法律が書いていない部分を埋めているのが条例です。根拠になる条文が2つあります。
地方公共団体は、(略)条例で、建築物の敷地、構造又は建築設備に関して安全上、防火上又は衛生上必要な制限を附加することができる。 ― 建築基準法40条
地方公共団体は、次の各号のいずれかに該当する建築物について、(略)条例で、その敷地が接しなければならない道路の幅員、その敷地が道路に接する部分の長さその他その敷地又は建築物と道路との関係に関して必要な制限を付加することができる。 ― 建築基準法43条3項
★43条3項は「道路の幅員」と「接する部分の長さ」を名指しで条例に委ねています。つまり法律は、地域ごとに違ってよいと初めから決めているということです。
東京都建築安全条例3条は路地状敷地の形態という見出しで、こう定めています。
建築物の敷地が路地状部分のみによつて道路(略)に接する場合には、その敷地の路地状部分の幅員は、路地状部分の長さに応じて、次の表に掲げる幅員以上としなければならない。 ― 東京都建築安全条例3条1項
| 路地状部分の長さ | 必要な幅員 |
|---|---|
| 20メートル以下 | 2メートル |
| 20メートルを超える | 3メートル |
同条2項は、耐火建築物及び準耐火建築物以外の建築物で延べ面積が200平方メートルを超えるものについて、表の2メートルを3メートル、3メートルを4メートルに読み替えると定めています。
さらに3条の2(路地状敷地の建築制限)は、こうです。
前条第一項に規定する敷地で路地状部分の幅員が四メートル未満のものには、階数が三(略)以上の建築物を建築してはならない。 ― 東京都建築安全条例3条の2
出典: 東京都建築安全条例(2026-09-16確認)
★同じ「2メートル接している旗竿地」でも、竿が20メートルを超えるかどうかで結論が変わります。そして木造で200平方メートルを超える家なら、必要な幅はさらに1メートル増えます。
43条3項の対象は5つの類型で、5号だけが一戸建ての住宅を明文で除いています。ただし2号は「階数が三以上である建築物」で、ここに一戸建ても入り得ます。
東京都の3条の2が幅員4メートル未満の路地状敷地で3階以上を禁じているのは、この2号と噛み合う形です。
★「一戸建てだから条例は関係ない」と読まないでください。階数を増やす計画は、幅員の制限に直接ぶつかります。
竿の部分が私道になっていることがあります。その場合、売買では次の項目が重要事項として説明されます。
当該契約が建物の貸借の契約以外のものであるときは、私道に関する負担に関する事項 ― 宅地建物取引業法35条1項
★買主には説明される項目なので、売る側が先に把握しておくほうが話が早くなります。持分があるのか、通行や掘削の承諾が要るのか、維持の費用を誰が出しているのか。書面の準備に関わる部分です。
査定を頼むときの注意点は無料査定でもめる前ににまとめています。
| 確かめること | どこで | なぜ |
|---|---|---|
| 接している道の種別 | 自治体の指定道路図 | 42条の道路か |
| 竿の長さと幅 | 現地と測量図 | 条例の表に当てる |
| 竿の所有と持分 | 登記簿 | 私道の負担の説明に関わる |
調べ方の手順は再建築不可物件の調べ方に、自治体ごとの地図の名前まで書いています。
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