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再建築不可物件の売却|5つの売り方と、2025年4月から変わった「リフォームして売る」の手続き

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最終更新 2026-09-14

この記事でわかること

  • 先に結論:5つの売り方
  • なぜ再建築不可になるのか
  • 売り方1:隣地の所有者に売る
  • 売り方2:43条2項の認定・許可を得てから売る
  • 売り方3:現状のまま買取業者に売る

相続した実家が再建築不可だと分かったとき、最初に浮かぶのは「もう売れないのか」だと思います。

売ることはできます。ただし、どの売り方を選ぶかで、必要な手続きも、使える税の特例も変わります。 しかも2025年4月から、「リフォームしてから売る」の手続きが変わりました。

再建築不可かどうかの調べ方は、再建築不可物件の調べ方にまとめています。

先に結論:5つの売り方

売り方 何が必要か 根拠
隣地の所有者に売る 相手が買うかどうか 43条1項(一体の敷地で2メートル接すれば要件を満たし得る)
認定・許可を得てから売る 特定行政庁の認定、または許可(審査会の同意) 43条2項
現状のまま買取業者に売る 業者の査定 —
リフォームしてから売る 大規模なリフォームなら建築確認 2025年4月からの改正
解体して土地で売る 解体後も新しく建てられない土地として売る 43条1項

★「どれが高く売れるか」は、物件ごとに違います。当サイトは相場の数字を載せていません(理由は後で書きます)。

訳あり・共有持分・借地権の相談先 総合スコア(公式サイトの表記から数えた点・20点満点)

点の内訳と順位の決め方は総合ランキングに書いています。

なぜ再建築不可になるのか

建築基準法43条1項は、建物の敷地が「道路」に2メートル以上接することを求めています。ここでいう道路は42条の道路で、原則として幅4メートル以上です。

★この要件は、新しく建てるときに問われます。いま建っている家に住み続けること自体を禁じる条文ではありません。だから「建っている家ごと売る」「土地だけで売る」で、買う人にとっての意味が大きく変わります。

売り方1:隣地の所有者に売る

隣の土地が道路に接していれば、2つの敷地を一体にしたとき、道路に2メートル以上接することがあります。その場合、買った人にとっては43条1項の要件を満たす敷地になり得ます。

★隣地の所有者にとってだけ価値が上がる土地ということです。最初に声をかける相手になります。ただし、実際に要件を満たすかは、一体にした後の形で建築指導の窓口が判断します。

売り方2:43条2項の認定・許可を得てから売る

43条2項は、2メートル接していない敷地でも、次のどちらかなら1項を適用しないと定めています。

  • 認定(2項1号):幅4メートル以上の道に2メートル以上接し、用途・規模が省令の基準に合い、特定行政庁が支障がないと認めたもの
  • 許可(2項2号):周囲に広い空地があるなど省令の基準に合い、特定行政庁が建築審査会の同意を得て許可したもの

★認定・許可は建物の計画ごとの判断です。「前に許可が出た」は、次も出る保証になりません。売る前に見込みを確かめるなら、自治体の建築指導の窓口に相談します。

売り方3:現状のまま買取業者に売る

隣地が買わない、認定・許可の見込みも立たないとき、現状のまま再建築不可物件を扱う買取業者に売る道があります。

当サイトの台帳では、訳あり物件買取センターが公式サイトで再建築不可・共有持分・借地権に対応と明示しています。ほかの相談先は訳あり物件・共有持分・借地権の相談先に、公式サイトの表記と確認日つきで並べています。

★1社だけで決めないでください。買取の金額は業者ごとに出てくる数字の意味が違います。仲介と買取の違いは仲介と買取は何が違うかにあります。

売り方4:リフォームしてから売る(2025年4月から手続きが変わった)

国土交通省は、2025年4月から木造戸建の大規模なリフォームが建築確認手続きの対象になったと周知しています。

区分 改正前 2025年4月以降
木造2階建て 4号建築物:大規模なリフォームの建築確認は不要 新2号建築物:必要
木造平家建て(延べ200㎡超) 4号建築物:不要 新2号建築物:必要
木造平家建て(延べ200㎡以下) 4号建築物:不要 新3号建築物:不要

出典: 国土交通省 周知チラシ(2025年3月版)

大規模なリフォームとは、主要構造部(壁、柱、床、はり、屋根または階段)の一種以上について行う過半の改修等です。チラシは、階段の架け替えや屋根の全面的な改修は該当し、屋根や壁の仕上げ材のみの改修は該当しないと例を挙げています。 キッチン・トイレ・浴室などの水回り、手摺やスロープの設置は手続き不要とされています。

チラシには、次の注意も書かれています。

  • 建築確認は工事に着手する前に終える必要がある
  • 現行法に適合していない箇所があれば、別途適合させる工事が必要な場合がある
  • 延べ面積が100㎡を超える建物の大規模なリフォームは、建築士による設計・工事監理が必要
  • 確認を受けずに工事をした場合などは、1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金

★「再建築はできないが、リフォームなら自由にできる」とは、2025年4月以降は言えません。 どこまでの工事が大規模なリフォームに当たるかは、建築主事または指定確認検査機関に相談するよう、チラシも案内しています。

売り方5:解体して土地で売る

解体すると、買う人はそこに新しく建物を建てられない土地を買うことになります(43条1項)。 ★更地にすれば売りやすくなる、とは限りません。建物があるから使い道がある、という買い手もいます。

解体する前に知っておくこと:固定資産税と国庫帰属

地方税法349条の3の2は、住宅の敷地(住宅用地)の固定資産税の課税標準を価格の3分の1、200平方メートル以下の部分は6分の1とする特例を定めています。 ★この特例は家屋の敷地に対するものなので、解体して家屋が無くなれば、この特例の対象から外れます。 また同じ条文は、空家法の勧告を受けた管理不全空家等・特定空家等の敷地を特例から除いています。放置して勧告を受けても外れます。

「国に引き取ってもらう」相続土地国庫帰属制度は、法律の2条3項1号で建物の存する土地は申請できないと定めています。 ★この制度を使うなら解体が前提になります。解体・固定資産税・国庫帰属は、順番を決めてから動く必要があります。

一方で、税の特例では「解体してから売る」ことが要件になる場合があります。次の節です。

相続した実家なら:空き家の3,000万円特例

国税庁 No.3306 の特例は、相続した空き家や敷地を売ったとき、譲渡所得から最高3,000万円を控除できるものです。

要件の主なもの 内容
家屋 昭和56年5月31日以前に建築・区分所有建物登記でない・相続の直前に被相続人以外が住んでいない
売り方 家屋が耐震基準を満たして売る/全部を取り壊して敷地を売る/買主が売った年の翌年2月15日までに耐震化か取り壊し(令和6年1月1日以後の譲渡)
期限 相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日まで
金額 売却代金1億円以下
控除額 最高3,000万円。令和6年1月1日以後の譲渡で相続人が3人以上なら2,000万円

出典: 国税庁 No.3306(令和8年4月1日現在法令等)

★売り方の選び方が、そのまま税の要件に関わります。「現状のまま売る」なら耐震基準、「解体して売る」なら取り壊しの時期が問われます。 適用には確定申告と、市区町村の「被相続人居住用家屋等確認書」が必要です。期限の数え方は相続の期限にもあります。

国に返すか、買い取ってもらうかは、売れない土地を手放す方法(国に返す・買い取ってもらう)で比べています。

この記事でできていないこと

  • 再建築不可物件の相場(通常の何割か)は書いていません。当サイトが確認した一次資料に、全国の相場を示すものが無かったためです
  • 43条2項の認定・許可が出る見込みは判断していません。自治体と計画ごとに違います
  • 接道以外の理由(市街化調整区域など)で建てられない土地は、この記事の対象外です
  • 既存不適格の建物のリフォームで、どの規定に適合させる工事が要るかは、個別の判断のため書いていません
  • 固定資産税がいくら上がるかは書いていません。負担調整などで、課税標準の比率がそのまま税額の倍率にはならないためです
  • 相続土地国庫帰属制度の、建物以外の要件や負担金は扱っていません

次にやること

いまの状況 次にやること
再建築不可か確かでない 再建築不可物件の調べ方で指定道路図を見る
隣地が道路に接している 隣地の所有者に、買う意思があるか聞く
建て替えの見込みを知りたい 自治体の建築指導の窓口で43条2項を相談
リフォームして売りたい 工事が大規模なリフォームに当たるか、建築主事等に相談
早く手放したい 再建築不可に対応する相談先を比べる
昭和56年以前の相続した家 3,000万円特例の期限と要件を先に確認

よくある質問

再建築不可物件は売却できますか?

できます。隣地の所有者に売る、43条2項の認定・許可を得てから売る、現状のまま買取業者に売る、リフォームしてから売る、解体して土地で売る、の5つの方法があります。どれを選ぶかで、必要な手続きと使える税の特例が変わります。

再建築不可でもリフォームはできますか?

2025年4月から、木造2階建てなどの大規模なリフォーム(主要構造部の過半の改修等)は建築確認手続きが必要になりました(国土交通省)。水回りの改修などは手続き不要とされています。大規模なリフォームに当たるかは、建築主事または指定確認検査機関に相談してください。

再建築不可物件の相場はどれくらいですか?

当サイトは相場の数字を載せていません。確認した一次資料に、全国の相場を示すものが無かったためです。複数の買取業者や不動産会社の査定を比べ、それぞれの数字が仲介の見込みか、買取の提示額かを確かめてください。

解体して更地にすれば売りやすくなりますか?

とは限りません。解体しても、そこに新しく建物を建てられない土地であることは変わりません(建築基準法43条1項)。一方で、空き家の3,000万円特例は「取り壊して敷地を売る」形でも使える場合があります(国税庁 No.3306)。

この記事に関係する相談先(区分「訳あり・共有持分・借地権」の台帳から)

当サイトが公式サイトの表記を確認して記録している会社です(名称順。区分の順位はランキングにあります)。

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この記事で参照した一次資料

制度と法令についての記述は、上の資料にもとづきます。手続きの進み方や事業者の選び方など、資料で確かめられない部分は「編集部の見立て」として本文中で分けています。当サイトが資料を確認したのは 2026-09-14 です。
法令・制度は改正されます。手続きの前に、必ず最新の条文と担当する専門家の説明をご確認ください。

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この記事で使った法律の数字の出典

下の数字は、官公庁のページに書かれている内容です。制度は変わることがあるので、判断の前に一次情報を確かめてください。

出典の確認日: 2026-08-27

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