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この記事でわかること
親のマンションを相続したとき、相続税の評価額は売買価格ではありません。国税庁が決めた計算のしかたで出します。
そして令和6年1月1日以後に相続・遺贈・贈与で取得した分譲マンションは、計算が変わりました。従来の評価額に区分所有補正率を掛けます(国税庁 No.4667)。
ここでは、国税庁の記載と計算例をそのまま追って、自分の数字を出す順番を並べます。税額の計算はしません。
| 従来 | 令和6年1月1日以後 | |
|---|---|---|
| 家屋部分 | 固定資産税評価額×1.0 | 左の額に区分所有補正率を掛ける |
| 土地部分 | 敷地全体の価額×敷地権の割合 | 左の額に区分所有補正率を掛ける |
| 使う書類 | 課税明細書・登記事項証明書 | 同じ |
| 対象 | すべてのマンション | 居住用の区分所有財産 |
★補正率は1より大きくなることも、小さくなることもあります。国税庁の計算例では1.2258で、評価額は上がっています。
点の内訳と順位の決め方は総合ランキングに書いています。
国税庁は対象をこう定めています。
「居住用の区分所有財産(一室の区分所有権等)」とは、一棟の区分所有建物…に存する居住の用に供する専有部分一室に係る区分所有権(家屋部分)および敷地利用権(土地部分)をいいます。 ― 国税庁 No.4667
「居住の用に供する専有部分」は、原則として登記簿上の建物の種類に「居宅」を含むものとされています。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 1 | 主として居住の用途でないもの(事業用のテナントなど) |
| 2 | 区分建物の登記がされていないもの(一棟所有の賃貸マンションなど) |
| 3 | 地階を除く総階数が2以下のもの |
| 4 | 居住用の専有部分が3室以下で、全部を本人か親族が使うもの(二世帯住宅など) |
| 5 | たな卸商品等に該当するもの |
出典: 国税庁 No.4667(2026-09-15確認)
★「マンションだから必ず補正率が入る」ではありません。低層の集合住宅や二世帯住宅は、従来どおりの評価になります。
補正率は、評価乖離率 → 評価水準 → 区分所有補正率の順で出します。
評価乖離率 = A + B + C + D + 3.220 ― 国税庁 No.4667
| 記号 | 何の数字か | 掛ける数 |
|---|---|---|
| A | 築年数(1年未満は1年) | △0.033 |
| B | 総階数指数(総階数÷33、上限1) | 0.239 |
| C | その部屋の所在階 | 0.018 |
| D | 敷地持分狭小度 | △1.195 |
「敷地持分狭小度」は、敷地利用権の面積÷専有部分の床面積です。
評価水準は、評価乖離率の逆数(1÷評価乖離率)です。
| 評価水準 | 区分所有補正率 |
|---|---|
| 0.6未満 | 評価乖離率×0.6 |
| 0.6以上1以下 | 補正はなし |
| 1を超える | 評価乖離率 |
出典: 国税庁 No.4667(2026-09-15確認)
★評価水準が0.6以上1以下なら、従来どおりの評価です。全部のマンションで評価額が上がるわけではありません。
国税庁が示している例です(自用の場合)。
| 項目 | 例の数字 |
|---|---|
| 家屋の固定資産税評価額 | 400万円 |
| 正面路線価 | 50万円/平方メートル |
| 敷地の面積 | 3,500.00平方メートル |
| 敷地権の割合 | 1,050,000分の6,300 |
| 築年数 | 27年 |
| 総階数 | 11階 |
| 所在階 | 3階 |
| 専有部分の面積 | 60.00平方メートル |
この例では、敷地利用権の面積は21.00平方メートル、評価乖離率は2.043、評価水準は約0.489、区分所有補正率は1.2258になります。
| 部分 | 補正前 | 補正後 |
|---|---|---|
| 家屋 | 4,000,000円 | 4,903,200円 |
| 土地 | 10,500,000円 | 12,870,900円 |
出典: 国税庁 No.4667 の計算例(2026-09-15確認)
★この例は国税庁の数字であって、相場ではありません。自分の部屋の数字は、下の書類から出します。
| 要る数字 | どこに載っているか |
|---|---|
| 家屋の固定資産税評価額 | 固定資産税の課税明細書 |
| 敷地の面積・敷地権の割合 | 登記事項証明書 |
| 築年数・総階数・所在階 | 登記事項証明書 |
| 専有部分の面積 | 登記事項証明書 |
| 正面路線価 | 国税庁の路線価図 |
路線価の引き方は土地の相続税評価額の調べ方にまとめています。
★国税庁は「居住用の区分所有財産の評価に係る区分所有補正率の計算明細書」の様式を公開していて、参考として区分所有補正率の計算ツール(Excel)も置いています。申告では、この明細書を申告書に添付して提出します。
この見直しは「タワーマンション対策」と紹介されることがあります。ただし国税庁が公表した趣旨は、そう書いていません。
課税の公平を図りつつ、納税者の予見可能性を確保する観点からも、類似の取引事例が多い分譲マンションについては、いわゆるタワーマンションなどの一部のものに限らず、広く一般的に評価方法を見直す必要性が認められた ― 国税庁 資産評価企画官情報第2号(令和5年10月11日)
同じ文書は、平成30年中に取引された全国の分譲マンションで相続税評価額と売買実例価額の乖離を確認したこと、評価通達6の適用が争われた最高裁令和4年4月19日判決以降の経緯、令和5年度与党税制改正大綱にマンションの評価の適正化が書かれたことにも触れています。
★高層階の物件だけの話ではありません。築年数が浅く、敷地の持分が小さい部屋ほど補正率は大きくなりやすい計算式です。
親が住んでいたマンションを相続した場合、特定居住用宅地等に当たれば、敷地利用権の部分について330平方メートルまで80%減額できます(国税庁 No.4124)。
| 取得する人 | 主な要件 |
|---|---|
| 配偶者 | 取得者ごとの要件なし |
| 同居していた親族 | 申告期限まで住み、その宅地等を持ち続ける |
| 同居していない親族 | 6つの要件をすべて満たす(被相続人に配偶者がいない、ほか) |
出典: 国税庁 No.4124(2026-09-15確認)
★減額の前の価額が、区分所有補正率を掛けた後の価額になります。順番を逆にしないでください。要件は細かいので、当てはまるかどうかは税理士か税務署に確認してください。
相続税には基礎控除があります。
3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数 ― 国税庁 No.4152
正味の遺産額がこの額以下なら、原則として申告は要りません。ただし小規模宅地等の特例を使って税額が0になる場合は、申告が必要です。申告と納税の期限は、相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内です(No.4205)。
期限の数え方は相続の期限に、税理士に頼むかどうかの分かれ目は相続税の税理士の選び方と報酬にまとめています。
当サイトが記録している中で、相続税の申告を主たるサービスとして公式サイトに掲げている窓口です。
| 窓口 | 公式サイトの表記 |
|---|---|
| 相続アシスト | 税理士法人と法律事務所の共同運営。対応できる地域は東京・神奈川・大阪・京都・兵庫と明示 |
出典: 相続アシスト公式サイト(2026-09-15確認)。「戸籍や残高証明などの書類収集もすべて代行」「申告から登記まで一貫して任せられます」と表記しています。
★対応できる地域が書かれている窓口です。物件や相続人の所在が外れる場合は、先に問い合わせて確かめてください。ほかの相談先は専門家に相談するにあります。
| いまの状況 | 次にやること |
|---|---|
| 評価額を出したい | 課税明細書と登記事項証明書を用意する |
| 補正率を計算したい | 国税庁の計算ツール(Excel)を使う |
| 路線価が分からない | 土地の相続税評価額の調べ方 |
| 申告が要るか知りたい | 基礎控除と正味の遺産額を比べる |
| 期限が気になる | 相続の期限で10か月を数える |
| 兄弟の共有になっている | 共有名義の相続不動産 |
| 頼む相手を探している | 専門家に相談する |
家屋部分と土地部分を別々に出して、足します(国税庁 No.4602)。家屋は固定資産税評価額に1.0を乗じ、土地は敷地全体の価額に敷地権の割合を乗じます。令和6年1月1日以後に相続・遺贈・贈与で取得した居住用の区分所有財産は、それぞれに区分所有補正率を掛けます(No.4667)。
いいえ。評価水準が0.6以上1以下なら補正はありません(従来どおりの評価)。1を超える場合は補正率が評価乖離率になり、下がる方向に働きます。上がるのは評価水準が0.6未満のときで、国税庁の計算例では補正率1.2258でした。
対象外になることがあります。国税庁は、地階を除く総階数が2以下のもの、居住用の専有部分が3室以下で全部を本人か親族が使うもの(二世帯住宅など)、区分建物の登記がされていないものなどを、適用がないものとして挙げています(No.4667)。
要件を満たせば、敷地利用権の部分について330平方メートルまで80%減額できます(No.4124)。減額の対象になるのは区分所有補正率を掛けた後の価額です。要件は取得する人ごとに違うので、税理士か税務署に確認してください。
違います。相続税評価額は税の計算のための価額です。実際にいくらで売れるかは別で、国税庁の趣旨の文書自体が、相続税評価額と売買実例価額の乖離を確認したうえで見直したと書いています。売る場合の手順は実家の売却にまとめています。
当サイトが公式サイトの表記を確認して記録している会社です(名称順。区分の順位はランキングにあります)。
制度と法令についての記述は、上の資料にもとづきます。手続きの進み方や事業者の選び方など、資料で確かめられない部分は「編集部の見立て」として本文中で分けています。当サイトが資料を確認したのは 2026-09-15 です。
法令・制度は改正されます。手続きの前に、必ず最新の条文と担当する専門家の説明をご確認ください。
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出典の確認日: 2026-08-27