相続登記の義務化 相続登記、最短で2027年3月31日が期限です。2024年4月1日より前に相続したことを知った未登記の不動産は、原則2027年3月31日まで。正当な理由なく申請義務に違反すると、10万円以下の過料の対象となることがあります。

相続した不動産と、その後の手続きの台帳

墓じまいの費用は何で決まるのか|内訳と、金額に差がつく場所

最終更新 2026-08-24

墓じまいの費用を調べると、総額の幅がやたら広いことに気づきます。 数十万円と書いてあるページもあれば、100万円を超える例も出てきます。

これは、どちらかが間違っているわけではありません。 墓じまいの費用は3つの別々の支払いの合計で、そのうち1つが条件で大きく変わるためです。

この記事は、どこで金額が決まるのかだけを整理したものです。

費用は3つに分かれる

何の費用か 払う相手 金額が変わる理由
1. 墓石の撤去工事 石材店 面積と立地。ここがいちばん差が出ます
2. 新しい納骨先 霊園・寺院・散骨業者など 何を選ぶかで別物になります
3. お寺への謝礼(閉眼供養・離檀料) お寺 決まった金額はありません

「墓じまいの相場」を1つの数字で出せないのは、この3つを足しているからです。 自分の場合にいくらかを知るには、3つを分けて考えるのが早道です。

1. 墓石の撤去工事 ── ここで差がつく

墓石を撤去して、区画を更地に戻して管理者へ返す工事です。

何で金額が変わるか

  • 面積 — 区画が広いほど、撤去する石も基礎も増えます
  • 立地これが見落とされがちです。重機が入る場所と、入らない場所では作業がまったく違います
  • 石の量 — 外柵、灯籠、墓誌など、墓石以外の構造物が多いほど増えます
  • 処分費 — 撤去した石材の運搬と処分にかかります

山の上・階段の上・通路が狭い霊園は、人力で運ぶことになります。 同じ広さでも、重機が横づけできる区画とは金額が変わります。 見積もりを頼むときは、区画までの経路を伝えると精度が上がります。

だから複数から見積もりを取る意味がある

この工事の金額は、条件を見ないと決まりません。 逆に言えば、同じ条件でも石材店によって差が出ます。

1社だけの見積もりでは、それが高いのか安いのか判断できません。 複数から取れば、返ってきた金額の幅がそのまま判断材料になります。

当サイトの台帳では、墓じまい・供養の相談先に、 石材店の一括見積もりに対応している事業者と、墓じまいをまとめて代行する事業者を記録しています。

2. 新しい納骨先 ── 何を選ぶかで別物になる

遺骨を移す先を先に決めておく必要があります。 改葬の許可を取るときに、受け入れ先の証明が要るためです。

主な選択肢は次のとおりです。

選択肢 どういうものか 費用の性格
永代供養墓 寺院・霊園が管理する合祀または個別の墓 一括で払い、以後の管理料が不要な形が多い
納骨堂 屋内の納骨施設 一括または年間管理料
樹木葬 樹木を墓標とする埋葬 一括の形が多い
手元供養 自宅で保管する 容器などの費用
散骨 海などに撒く 委託・合同・貸切で変わる

「墓じまい=永代供養」ではありません。 散骨を選べば新しい墓は作らないため、この項目の性格そのものが変わります。

海洋散骨は、委託(業者に任せる)・合同(複数の家族で乗船)・貸切(1家族で乗船)で費用が変わります。 台帳では墓じまい・供養の相談先に、貸切と全国対応を明示している事業者を記録しています。

3. お寺への謝礼 ── 決まった金額はない

墓を閉じるときの供養(閉眼供養・魂抜き)へのお礼と、 檀家をやめる場合の謝礼(離檀料)です。

どちらも法律で金額が決まっているものではありません。 寺院との話し合いで決まります。

ここは金額の問題より、順番の問題です。 工事の見積もりを取る前に、まずお寺に相談するのが通例です。 先に工事の話を進めてしまうと、話がこじれる原因になります。

高額な離檀料を求められて困っている、という相談は実際にあります。 話し合いで解決しない場合は法律の専門家の領域になります。 専門家に相談するに、相続まわりの相談窓口を記録しています。

補助金がある自治体があります

自治体によっては、墓地の返還や改葬に補助金を設けている場合があります。 ただしすべての自治体にあるわけではなく、条件も金額も自治体ごとに違います。

共通して気をつける点は次の2つです。

  • 着工前の申請が条件になっていることが多いです。工事を始めてからでは間に合いません
  • 公営墓地の返還に限る、といった対象の限定があることがあります

まず、墓地がある市区町村の窓口に確認してください。 当サイトでは自治体ごとの制度は扱っていません。

誰が払うのか

法律で「この人が払う」と決まっているわけではありません。

墓を引き継いでいる人(祭祀承継者)が中心になることが多いものの、 兄弟で分担する、実際に納骨先を使う人が多く負担する、という形もあります。

先に決めておかないと、工事の途中で止まります。 金額が分からないまま話し合っても決まらないので、 見積もりを取って数字を出してから分担を決めるほうが早く進みます。

全体の順番

段階 やること 相手
1 墓じまいの意思を伝える お寺・霊園の管理者
2 新しい納骨先を決める 霊園・寺院・散骨業者
3 改葬許可を申請する 現在の墓地がある市区町村
4 撤去工事の見積もりを取る 石材店
5 閉眼供養と撤去工事 お寺・石材店
6 新しい納骨先へ納骨 受け入れ先

2と4は同時に進められます。 納骨先が決まらないと改葬許可が取れないため、2が全体の律速になりがちです。

この記事でできていないこと

  • 総額の目安は書いていません。面積・立地・納骨先の選択で変わるため、 1つの数字を出すと誤解のもとになります。見積もりで確かめてください
  • 自治体ごとの補助金は扱っていません。市区町村の窓口にご確認ください
  • 離檀料など寺院との話し合いは、個別の事情によります

次にやること

いまの状況 次にやること
工事費を比べたい 石材店の一括見積もり先を見る
遠方で立ち会えない まとめて代行する窓口を見る
新しい墓を作らずに済ませたい 散骨に対応する窓口を見る
実家の不動産も一緒に整理したい 相談先さがし

相続の相談先をまとめて見る

相談先をまとめて見る